委員会は共産党が「理事者が与党に議会工作をした」と抗議したことで開会が遅れたが、17時に開会、各会派の審議を経て20時40分に採決に入った。
その結果、共産党を除く全会派一致で「現在地及び中心市街地での建設を求める」とする16件の陳情を不採択とした。
審議状況→小樽ジャーナル
病院問題は、平成11年に特別委員会が設置され、7年半にわたり様々な議論が交わされてきた。その間、建設地については量徳小学校での建設が、「学校適正配置計画」の白紙撤回で事実上不可能となり、残された候補地である築港での建設が市長部局から表明された。
その後、商業者や地元町会などが「築港での建設は経済活動に影響を与える」などとして反対の意向を示した。私の印象では、少々厳しい言い方をすれば「遅きに失した」感がする。量徳小を残す議論が噴出していた時に、同地が駄目なら築港という構図は誰の目にも明らかだった。なぜその時に議論に加わらなかったのか・・・。当事者は「市が『学校と病院はリンクしない』と説明したから」と反論するが、物理的に学校が残れば病院は立たないのは自明の理であろう。市長部局も「教育への介入を差し控える」との基本原則を考慮しすぎてか「病院を建てたいので学校を廃校にする」とは言えなかったものと思う。
敢えて反発を恐れずに書けば、「現在地から築港に移転することにより地元商店街や中心市街地の購買力が低下する」との指摘は的を射ていないように感じられる。確かに患者さんや見舞い客、職員などによる購買力の変化はあると思うし、築港地区への建設で交通アクセスが良くなれば、ウィングベイなどへ買い物に行く市民も増えるかもしれない。しかし、それは商業活動や経済振興の問題であって「だから『病院』を築港に建設するのは反対」というのは違う議論のような気がしてならない。病院機能や患者サイドの議論が欠けているのではないだろうか。
いずれにしても都市計画決定の告示や今回の議会意思を経て、建設地は築港で決着した。しかし病院の規模や財政計画、或いは医師確保の問題などはまだまだ議論の余地があると思う。今後もそうした面で充分な議論を望むものである。
同病院の某医科部長に知人がいる。同医師は「現在の施設で診療を続けるのは限界に近づいている。毎年多額の保守管理費もかかる。医師もいつまでも引き止めておけない。一日も早く新病院へのゴーサインを」と訴える。入院、通院している多くの患者さんの気持ちも同様であろう。
現に同病院には1日に300人が入院、760人が通院している(平成17年平均)。その4割近くは車両使用とのことである。患者本位に考えれば充分な駐車スペースを確保することも重要な施策と思う。