各紙は様々な表現で新総裁の誕生を論評する。
読売〜『圧勝』を政権運営に生かせるか」
毎日〜安倍新総裁 気負わず柔軟に若さ生かせ
産経〜国民守る国造りが使命 ぶれない政治姿勢を貫け
日経〜安倍新総裁は首相主導で公約実行を
東京〜時計の針をどっちに回す
朝日〜安倍新総裁 不安いっぱいの船出
道新〜若さと危うさ乗せた船出
コラム・社説リンク
上記社説の見出しを見ると各紙の姿勢が顕著に現れているが、某紙の一面署名論文で当該紙・政経部長は「時代錯誤の『回帰』を憂う」と主張する。
安倍新総裁はその著書や決意で憲法改正や教育改革を主張する。
■日本に相応しい憲法の制定 ■開かれた保守主義 ■歴史的遺産や景観、伝統文化を大切にする ■家族の価値や地域のあたたかさの再生 ■教育の抜本的改革 ■日本の強さを生かした積極的貢献、等などである。
記事はこれらの主張を「戦前のナショナリズムへの回帰を意図するなら、戦後民主主義の価値を否定する時代錯誤以外のなにものでもない」と切り捨てる。また、「国家への忠誠心」「自己犠牲の精神」を単純に「戦争の美化」「戦争の正当性」に結びつけるべき表現で新総裁を批判している。本当にそうなのだろうか。
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「戦後民主主義」(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
戦後民主主義は、国民主権(主権在民、国権の最高機関としての議会)や基本的人権を基本原則に持つことで、大正デモクラシーの弱点を克服したと言える。しかし、イギリスのように議会が力を蓄えて清教徒革命、名誉革命らの革命により王権を制限することによってこれらを確立したのではなく、ポツダム宣言受託による降伏によって占領した連合国軍最高司令官総司令部から与えられたところに戦後民主主義の弱点やジレンマがあるとも言われる。
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一方では、「戦後民主主義や近代立憲主義によって、日本人は共同体意識に根ざした良心を失い利己主義に走り、家父長制や純潔主義などの伝統文化も破壊された」との見方もある。私は「古き良き時代」の「良き」の部分を充分に検証し、それを現代に取り入れる、取り戻すことを「時代錯誤の回帰」とは決して思わない。昨今の信じられないような事件の多発は何を意味するのだろうか。昔では考えられない親殺し、子殺しが多発する要因は、この日本社会が大事な何かを忘れてしまったことによるものではないのだろうか。
もう一つ引用------
日本は世界で唯一の「情緒と形の文明」である。国際化という名のアメリカ化に踊らされてきた日本人は、この誇るべき「国柄」を長らく忘れてきた。「論理」と「合理性」頼みの「改革」では、社会の荒廃を食い止めることはできない。いま日本に必要なのは、論理よりも情緒、英語よりも国語、民主主義よりも武士道精神であり、「国家の品格」を取り戻すことである。(藤原正彦著「国家の品格」より)
あまり書きすぎると「右翼では」とのレッテルを貼られそう(笑)なので控えるが、様々な考えはあるだろうが日本をそして小樽を良くしたいと願わない市民はいないだろう。私は安倍新総裁に大いに期待を寄せるものである。